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掲示板閉鎖します - yone

2017/06/11 (Sun) 22:51:39

 松浦理英子の新刊「最愛の子ども」を論じようか、あるいは今年上半期の最高の映画イベント「ロメールと女たち 四季篇」(今日も3本見てきました)にしようか、と思っていたのですが、思うところあって、この掲示板そのものを閉鎖しようと思っています。一週間位を目処に削除します。自分しか書き込みがないのがひとつと、作品をきちんと論じることが出来ないメンバー相手に書く無意味さに、ほとほとやる気が失せたからです。

マンチェスター・バイ・ザ・シー - yone

2017/06/06 (Tue) 06:18:32

話題の「マンチェスター・バイ・ザ・シー」を見に行った。期待したほどではなかったが、見ている間中、レイモンド・カーバーの小説とテイストがそっくりだと感じていた。原作レイモンド・カーバーと言われてもまったく違和感がないほどだ。特に全く話の違う「足もとに流れる深い川」を思い出していた。この映画のだめなところはまず第一に音楽の使い方。久しぶりに多くの場面で情感を上げるために音楽を鳴らす映画を見た。うるさいことこの上ない。だめなところその二はカットのつなぎ方。もうちょっとうまく現在と過去のカットをつないでくれよなと全編つぶやいていた。まあ、そんなに悪い映画でもないので機会があれば見て下さい。
 自転車で錦糸町まで映画を見に行った帰りに、堀切菖蒲園に立ち寄った。この時期毎年行っているなあ。5年連続くらい。菖蒲が今が満開で、見事なものです。全部で200種類の菖蒲が見られます。

美女と野獣 - yone

2017/06/02 (Fri) 22:14:57

只今大ヒット中「美女と野獣」を見に行った。ディズニーのミュージカル版。ミュージカルナンバーがとても素敵で、何とかサントラ盤を手に入れようと思っている。以前の、調べたら1946年、終戦直後ですね、ジャン・コクトー版と比較して言えば、美女の家庭環境がミュージカル版では非常にシンプルになっている。というか、全く違った家庭状況で、ミュージカル版では美女は一人っ子だが、コクトー版では兄一人、姉二人の四人兄弟。さすがにシンプルにしないとディズニーミュージカルになりませんよね。ディズニー版ではSFXを多用している野獣の館を、コクトーは人間の手の燭台や、実際の人間の顔を使った肖像にしていた。美女はあのハーマイオニーのエマ・ワトソンが立派に成長。とても賢そうで、大女優になりそうな予感。「美女と野獣」のエマ・ワトソンと言われることになり本人も満足しているのではないでしょうか。野獣は断然、コクトー版のジャン・マレーに軍配。ディズニー版は野獣の方がかえって可愛らしく、ジャン・マレーと比べ貫禄が全然違いました。

Re: 美女と野獣 - yone

2017/06/03 (Sat) 04:57:24

サントラ入手してiPodへ入れました。ワクワク。

映画「メッセージ」 - yone

2017/05/31 (Wed) 22:12:25

 次回の読書会がテッド・チャン「あなたの人生の物語」になったが(またまた欠席します)、先日この映画化作品「メッセージ」を見てきました。実はあまりSF小説にしろSF映画にしろ、SF作品が好きでないというか、体質にあわず、この映画もなるほどと思ったものの、なるほどと思うほどの作品じゃ作品としてのインパクトに欠けるのではと思っていました。
思いつく好きなSF映画をあげればゴダールの「アルファヴィル」、タルコフスキーの「惑星ソラリス」、アルクセイ・ゲルマンの「神々のたそがれ」。そのどれも決してなるほどと思わせない力をもっていました。
 閑話休題。高橋源一郎氏が政治家に望むものとして、①ウソをつかない、できるだけ ②他人をバカにしない、できるだけ③他人の話を聞いて理解しようとする、表面上でいいから と書いていたのを読みえらく同意しました。今の政治の状況、あきれてものが言えません。今週我慢しきれず、国会前に行って叫んできました。今後もできる限り意思表示しようと思っています。

Re: 映画「メッセージ」 - yone

2017/06/01 (Thu) 19:59:25

「メッセージ」の監督ドゥニ・ビルヌーブ 作品を見たのはこれで三作目だが今回の女主人公エイミー・アダムス、去年の「ボーダーライン」のエミリー・ブラント、それから「灼熱の魂」のルブナ・アザバル、みんな同じパーソナリティですね。

多和田葉子「百年の散歩」 - yone

2017/05/25 (Thu) 21:23:19

 多和田葉子の近刊「百年の散歩」を堪能した。最近の文学を読んでもほぼ失望続き(そんなに読んでるのかよ!)なので、久しぶりに読む楽しさを味わえた。「あの人」(男か女か?)との待ち合わせのあいだのベルリン散歩。「あの人」とは誰か。あそらく数十年前に出会いそびれた人。「実際に起こらなかったことも歴史の一部である」という言葉を想起させるあり得たかもしれぬ彼氏(彼女)との待ち合わせまでの時間をベルリンの10の通りを散歩する。歩きながら「都市の無意識」が呼び覚まされ、思いは横への地理的移動かつ、100年の垂直の移動に駆り立てる。決してペダンチックな歴史談義に陥ることなく、連想は言葉の上を滑走する。その滑走こそがこの作品の「散歩」になっている。文中にある「言葉は本当は世界とは何の関係もないんだ」という認識の下、それでも文学を成り立たせようと苦戦している姿がひしひしと感じられた。その言葉の滑走は必ずしも成功しているとは言いがたいが(「あこがれの、焦がれの、焦げついた、じりじり燃える、燃えつきた、・・・」)言葉に文学的リアリティをいかに持たせるか、文学を成り立たせる言葉を如何に作っていくのか、現代の作家に突きつけられている問題に真っ正面からぶつかっている。もう一度きちんと読み、しっかり論じたい作品である。現代日本文学のエポックになる作品だと推薦します。

草間彌生展「わが永遠の魂」 - yone

2017/05/12 (Fri) 00:13:18

草間彌生展「わが永遠の魂」を見に国立新美術館に行ってきた。去年ここで見た「村上隆の五百羅漢図展」にえらく感動し、それなりに期待して、混んでいることを承知で出かけたのだが、並んでいたのはグッズのレジだけ。平日の昼間だったので鑑賞の妨げになるような混み方ではなかった。テレビ等で草間彌生の神話化をせっせとしているが、実際作品に対峙してみると、草間彌生はやはり20世紀のアーチストだとしみじみ感じた。では「20世紀のアーチスト」とは何かというと、それ以前の表現活動の影響の下でしか作品を生み出すことができないポストモダンな表現のことである。多くの作品はどう見てもホアン・ミロの影響下にあることを否定できないと思う。その他60年代のコラージュ作品やアングラ映画、マーク・ロスコを思わせる絵画作品等多くはいつかどこかで見た作品だ。まさしくポストモダンアーチスト。草間彌生も時代の子なのだとつくづく感じた展覧会でした。

米原万里に夢中 - yone

2017/05/08 (Mon) 22:10:05

 ここのところ米原万里にはまっていて毎日読みふけっている。生涯に18冊しか書けなかったことが残念でならない。ここ一週間で半分くらい読んでしまった。これまでのお勧めは「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」。ここでは「他諺の空似」からアンヌ・モレリの「戦争プロパガンダ10の法則」の孫引き。政府が国民を戦争に動員していくための嘘のつきかたの10パターン。
1,戦争を始める為政者は、必ず「われわれは戦争をしたくはない」と主張する。
2,争いを憎み平和のために最大限努力したのに、「敵側が一方的に戦争を望んでいる」と主張。
3,「敵の為政者は悪魔のような人間だ」と主張。
4,「われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う」のだ、と自分たちの戦争の神聖さを強調。
5,厭戦気分の広がりを阻止するため、「われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが敵ははわざと残虐行為におよんでいる」と自己弁護と同時に敵の邪悪さを強調。
6,「敵は卑劣な兵器や戦略を用いている」と、あたかも自分たちは正々堂々と卑劣ではない兵器を用いているかのような口ぶりをする。
7,にもかかわらず「われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大」と数字の操作をし
8,「芸術家や知識人も正義の戦いを支持している」と御用文化人や御用作家を動員する。
9,これもこれも「われわれの大義は神聖なもの」だからこそであることをことあるごとに喧伝し。
10,従って、国民たる者、この戦争に協力するのは当然で、「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」、非国民である、ということになる。
 最近の北朝鮮をめぐる政府の姿勢やマスコミの報道ぶりはまさにこれではないか。
 米原万里を読んでいてつくづく思うのは文章とは”知性と芸”。そのどちらがかけても読むに値しないのではなかろうか。

Re: 米原万里に夢中 - yone

2017/05/11 (Thu) 00:30:12

ちなみに”知性と芸”どちらもあり、ほとんどのエッセイを読んでいる女性ライターはまず第一になんといっても須賀敦子、それから小倉千加子、金井恵美子、上野千鶴子、幸田文、向田邦子。読者に対しての身の預け方(信頼)を何よりも大切に考え書いている人たちです。

最後のケン・ローチ - yone

2017/04/24 (Mon) 22:49:56

 私はダニエル・ブレイク。大工。精神を病んだ妻の介護むなしく亡くし今は一人暮らし。自分も心臓疾患を患い医者から仕事を止められてしまう。国の支援手当を受けようと役所に行くが、そこは摩訶不思議な世界。パソコンもできないダニエルにとって、ただ単に自分の尊厳を傷つけられるだけ。アパートの隣に住むゲイのカップルも役所で知り合った二人の子供を抱えたシンブルマザーもとことん貧しい。サッチャーや中曽根が始めたグローバリズムはただ単に格差を広げただけ。自己責任?生活保護のカット?いずこも同じ分断社会。救いは貧しいもの同士の助け合い。
 前作「ジミー、野を駆ける伝説」で引退宣言をしたケン・ローチがどうしても撮りたく作った「わたしは、ダニエル・ブレイク」。長年のケン・ローチファンとしてはとてもうれしく早速劇場に駆けつけたが、先日は満員で入場できず、今日やっと見ることが出来た(ヒューマントラストシネマ有楽町)。
ラスト、ダニエルが心臓発作でなくなり、シングルマザーのケイティが弔辞を読む場面で涙が止まらなかった。昔は日本でも社会派映画があったが今はほぼ皆無。世界でもケン・ローチみたいに一貫して社会問題を取り上げてきた作家はまさに希少価値。この映画のポスターを見ただけでもうるうるしてしてしまう。去年のカンヌ国際映画祭パルム・ドール作品。

キトラ・ボックス - yone

2017/04/18 (Tue) 07:49:37

池澤夏樹の新刊「キトラ・ボックス」を一気に読んだ。2014年に行った国立博物館「キトラ古墳壁画展」の関心から読んだのだが、梅原猛「黄泉の王 ~私見・高松塚~」ほどの深い仮説もなかったが、まあ小説なので楽しく読めたので及第点。里中満智子のコミック「天上の虹」もそうだが、この時代の古代史はとても面白い。「キトラ・ボックス」にも書かれていたが、中国の異民族との侵攻の歴史ほどのスケールはないが、内輪での陰謀の顛末。日本史って大体これですよね。池澤夏樹っていえば、私にとってはなんといってもアンゲロプロスの翻訳者。21世紀の最高傑作「エレニの旅」を越える作品はまだ現れていません。つくづくアンゲロプロスの交通事故死が惜しまれてなりません。エレニ三部作の完結をどんなに待ち望んでいたことか。もう一つ池澤夏樹個人編集「日本文学全集」を楽しんで読んでいると以前書いたが、お勧めは第10巻。近松の「曾根崎心中」「女殺油地獄」それから文楽の三大傑作「菅原伝授手習鑑」「義経千本桜」「仮名手本忠臣蔵」が一冊に入っていて、わくわくして読みました。

高橋源一郎‏訳 教育勅語 - yone

2017/03/15 (Wed) 22:53:37

①「はい、天皇です。よろしく。ぼくがふだん考えていることをいまから言うのでしっかり聞いてください。もともとこの国は、ぼくたち天皇家の祖先が作ったものなんです。知ってました? とにかく、ぼくたちの祖先は代々、みんな実に立派で素晴らしい徳の持ち主ばかりでしたね」
②「きみたち国民は、いま、そのパーフェクトに素晴らしいぼくたち天皇家の臣下であるわけです。そこのところを忘れてはいけませんよ。その上で言いますけど、きみたち国民は、長い間、臣下としては主君に忠誠を尽くし、子どもとしては親に孝行をしてきたわけです」
③「その点に関しては、一人の例外もなくね。その歴史こそ、この国の根本であり、素晴らしいところなんですよ。そういうわけですから、教育の原理もそこに置かなきゃなりません。きみたち天皇家の臣下である国民は、それを前提にした上で、父母を敬い、兄弟は仲良くし、夫婦は喧嘩しないこと」
④「そして、友だちは信じ合い、何をするにも慎み深く、博愛精神を持ち、勉強し、仕事のやり方を習い、そのことによって智能をさらに上の段階に押し上げ、徳と才能をさらに立派なものにし、なにより、公共の利益と社会の為になることを第一に考えるような人間にならなくちゃなりません」
⑤「もちろんのことだけれど、ぼくが制定した憲法を大切にして、法律をやぶるようなことは絶対しちゃいけません。よろしいですか。さて、その上で、いったん何かが起こったら、いや、はっきりいうと、戦争が起こったりしたら、勇気を持ち、公のために奉仕してください」
⑥「というか、永遠に続くぼくたち天皇家を護るために戦争に行ってください。それが正義であり「人としての正しい道」なんです。そのことは、きみたちが、ただ単にぼくの忠実な臣下であることを証明するだけでなく、きみたちの祖先が同じように忠誠を誓っていたことを讃えることにもなるんです
⑦「いままで述べたことはどれも、ぼくたち天皇家の偉大な祖先が残してくれた素晴らしい教訓であり、その子孫であるぼくも臣下であるきみたち国民も、共に守っていかなければならないことであり、あらゆる時代を通じ、世界中どこに行っても通用する、絶対に間違いの無い「真理」なんです」
⑧「そういうわけで、ぼくも、きみたち天皇家の臣下である国民も、そのことを決して忘れず、みんな心を一つにして、そのことを実践していこうじゃありませんか。以上! 明治二十三年十月三十日 天皇」

Re: 高橋源一郎‏訳 教育勅語 - yone

2017/03/18 (Sat) 21:26:09

https://youtu.be/uB4RDvB7T78

民進党横路孝弘氏の質問。必見!稲田のバカとの違い一目瞭然。これだけの見識の議員まだいたんだ。

Re: 高橋源一郎‏訳 教育勅語 - yone

2017/03/19 (Sun) 22:42:05

話題になっている、米ホロコースト記念博物館にある「ファシズムの初期段階における危険な兆候」

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・性差別の横行
・マスメディアのコントロール
・国家の治安に対する執着
・宗教と政治の癒着
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・労働者の抑圧
・学問と芸術の軽視
・犯罪の厳罰化への執着
・身びいきの横行と腐敗
・不正な選挙


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